不合格の効用

資格試験は、合格・不合格があります。

合格・不合格の篩いわけがあるからこそ、日々のお勉強にメリハリができたり、プレッシャーになるものでございます。

資格試験は、不合格を背中に抱えたマラソンでございます。

今回のコラムは、不合格という試験の根源的な負荷について考えてみたく思います。

不合格になったときの気の持ちようを、適当に且つ曖昧に、春風に誘われたシェフのオススメの如く、ご説明申し上げます。

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試験の不合格の呪縛から逃れるのは、「所詮、試験じゃないか」と言い切ることです。

不合格にさい悩まされる姿をは、「呪縛」と申して結構でございます。

合格発表の後、魔女に呪われたような、一見して肩が落ち、顔色の悪い土色のお顔を、たおやめぶり・ますらおぶりならぬ「不合格ぶり」といいます。

「不合格ぶり」をカラダ全体から発散させると、周りの人が大変に迷惑するので、可及的速やかに改善なさるが人の道でございましょう。

その被害たるや、尻の部分の儚げな吐息よりもタチが悪いのでございます。

「不合格ぶり」を続けると、いつ上司に殴られるか、配偶者の目が冷たくなるか(もう既に冷たいかもしれませんが)、家族が目をそむけるようになるか、わかったもんじゃありませんから。

「不合格ぶり」が、身を損ねるのは、試験に落ちる落胆以上に、廻りまわった負のエネルギー様が、よりパワーアップして御自身に帰郷なさるからでございます。

不合格を知ったら、まー1日位は落ち込んでもよろしいでしょう。

結構な手間と時間、お金を投入したのですから、残念に思うのは致し方ないことでございます。

初めての海外通販、解説書を読みながら・辞書を引きながらのオーダー、ワクドキしながら商品の到達を待つ。

ドキドキしながら梱包をあける!!

青ざめる顔・心の中では「あー、またやってまった」。

サイズデカ!!日本の店で売っていた!!大味で不味い!!使いにくっ!!

となれば、楽しいお買い物ですら、不首尾に終わればがっくりするのでございます。

お買い物でさえ、失敗すれば、意図と反する結果になれば、気が晴れないのでございますから、試験で落ちたときの落胆は、「アリ」としましょう。

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問題は不合格発表の『当日と次の日以降』なのでございます。

試験結果の発表当日は、酒でも飲むがよろしいでしょう。奮発した夕食で結構でございます。

100グラム2000円のステーキ肉、またはコース5000円程度の肉ディナーでも、よろしいでしょうなぁ。普段は飲まない赤ワインをつけるとより一層、風味が増すことでございます。

負けたときこそ、胸を張らねばなりません。

勝ったら誰でも胸を張れますから。

合格発表の次の日に落ち込んでいるのも、前日の余韻があるのでいたし方ありません。物理でいう慣性でございますから。

さて、そこまでは、神さんも神主さんも、神父も牧師も、坊主もハゲもお許しになります。いわんや、周辺の人をや。

あなたが、意志力を用いて自分の気持ちに対処しなければならないのは、それ以後でございます。

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もし、気持ちの整理が付いているのに、なんともタメイキガデチャウ状態ならこう考えていただきたいのでございます。

「不合格の瞬間をきちんと把握しただろうか?」と。

「不合格だったかぁ」と知ったときの身体の状態を、今一度考え直すのです。

不合格と知ったとき、まず、ぼんやりします。力が抜けます。無力感に包まれます。

しかし、肉体的にはそれだけです。

血を吐くわけでもないし、骨が折れるわけでもなく、指がちぎれ、のた打ち回ることもございません。

経済的にはどうでしょうか?

テキスト代、過去問・問題集代、講義代etc...。

多くても1年分のパンツ代・靴下代くらいですね。その程度のもんですね。新車を買い返るのを少し延ばせばいいだけですね。

不合格状態の特徴は、肉体的影響が10%で、金銭的影響10%、のこりの80%が精神的な影響になっていることです。

「不合格状態の影響は、物理的なものが2割程度で、8割が精神的なことだ」というこの公式を覚えておけば、「所詮、試験じゃないか」と言い切ることができます。

「所詮、カネじゃないか!」「所詮、手形じゃないか!」「所詮、家族なんてそんなもんでしょ」「所詮、愛なんてそんなもんでしょ」というぶった切り問答に較べたら、「所詮、試験じゃないか」と言い切るのは簡単でございましょう。

影響は、物理が2、精神8、でございます。

そして、ポイントは、精神なんて、どこにあんねん、というわけでございます。試験勉強の疲労や作業というのは、もう既に終わっているのでございます。

「現在」には、ないものでございます。

新しきお勉強は、いまだ始まっておりません。

そして、これからのお勉強のしんどさを考えるのは、試験に受かろうが落ちようが無駄の局地です。

やる前から「作業のしんどさを総計して考える」と、どんな仕事でアレ、作業でアレしんどいです。

洗い物や炊事、洗濯でも「1年分」の量を考えながらやると、しんどくてやる気がなくなって、キッチンドランカーですよ。

1年に洗う皿・コップ、お茶碗。。。総計百キロ弱の米を洗って炊く手間。。。汗臭い洗濯物。。。ときに異臭。。。

考えるとめんどくさいことは、考えないことです。

考えない分、エネルギーの消耗を抑えれますから^−^

とにかく、自分がいやになることは考えないことが、落ち込みがちな状況の中での処方箋なのでございます。

必要に迫られたら、一気に考えるようなことをせず、じょじょに考えることでございます。

先ほどの家事で申せば、目の前に差し迫ったものだけ考えればよいのでございます。

体力・気力は、降雨の一滴の如く、だんだん、すこしづつ溜まっていくもの・回復するものでございます。

体力・気力は、水道のようにひねれば出、締めれば止まるものではないのです。

考えるのがきつそうなモノは、エネルギーが溜まってからでないと、いいヒントや教訓を汲みだせられないものなのです。

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そして、精神的な疲れは、精神的な励ましで回復することができることを知るべきでございます。

世の中、自信満々・アイデア満々・やる気満々で店を出してもサッポリ、という人なんてごろごろしています。

試験勉強と劣らずともしんどい思いをして、借金だけが残ったという人なんて石を投げれば、スグに当たるほどです。

それに比べたら、不合格なんて「所詮、試験じゃないか」と言い切ることができます。

不合格と知ったときに、黒尽くめの黒いサングラスの男が外車から降りてきて、あなたをどこぞの地下へさらおうとしませんし、借金の取立てが来て一家離散になることもございませんでしょ。

所詮は、試験でございますよ。

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一番、疲労させるのは自分を責めることなんです。

精神の疲れを取るどころか、自分を責めさいなますことで、余計悪化させます。

自分を責めがちな人は、こんな風に考える傾向がございます。

試験に受かった=良い
試験に受かっていない=悪い

と自己評価をしてしまう人です。

別に試験に受からなくてもあなたはあなたです。

まーぶっちゃけいうと、資格をとっても、人生やらナンやらは、そうそう変わらないものです。

試験勉強中は「資格」というものが大切なアイデンティティかもしれませんが、合格後は資格を意識することは少なくなります。

合格したら、その資格業界での、合格後の戦いが待っています。

わたしたちはプロレスラーやプロ野球選手、女優俳優有名人に遭うと、うわーと思います。

ですが、彼らは同業者の他のプロレスラーやプロ野球選手、女優俳優有名人にあってもそれほど、感動はしないでしょう。

これと同じことです。

資格の合否だけが、自分の戦いだとは思わないことです。

合格後の戦いこそ、あなたの本当の戦いです。

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受験勉強は予行演習です。

本当の戦いの方が、勝敗が厳密に決まってしまうし、もとの戦略環境が違うので、試験にくらぶれば全くの不合理でございます。

この、本当の戦いのためにも、自分を卑下したりしてはいけません。

卑下してしまうと、土俵に上がれなくなりますから。

この戦いは、努力=うまくいく、世界ではないのです。

資格試験の勉強は、努力=うまくいく、世界なんです。

自己評価が先ほどの、「うまくいく=良い。うまくいかない=悪い」という、短絡的な評価のままだと、あなたの本当の戦いに勝てません。

「この戦い」では、失敗してもようございます。うまくいかないことのほうが多いからでございます。

どう、がんばっていくか、どう耐え抜いていくかが大事になるからでございます。

大切なことは失敗から学びます。

不合格であったことは、いま、あなたの本当の戦いの予習を先取りしたのだけなのです。

試験に落ちたくらいで、あなたの価値は減りません。

まあ、試験に落ちたら、普段は口にもしないご馳走を頂けばよろしいのでございます。

ダメなときの味わい方を学べばようございます。

落ち込むだけに、ダメなときの味わい方が限定されるものではありません。

普段は味わえない経験をしているのですから、もう1歩、被せればよろしいのでございます。

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