試験と劣等感
試験勉強は、さまざまプレッシャーとの戦いです。 そして、プレッシャーの中でも最もたちの悪いのが、「劣等感」です。 「劣等感」は嫉妬と同じ位、人生を損なう威力を持っています。 潰れる企業とは、ライバルに負けて倒産するのではなく、培ってきた社風により自滅するのです。 劣等感は持っているだけでエネルギーを失うアホラシイ感情です。 いっそのこと、一掃しておきたいものですが、なかなか根絶できないものです。 そこで、今回のコラムでは、劣等感を和らげる方法を考えていきたいと思います。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 劣等感とは、単純にいうと、絵がへたくそなのに、画家になろうとするときに生まれます。 足が遅いのに、速く走ろうとするときに生まれます。 注目すべきポイントは、できる人・うまい人の「できる」「うまい」だけを意識していることです。 絵がへたくそなのに(足が遅いのに)、己のへたくそ振りを反省して行動材料を拾うことなく、達成したい事だけに目がいっているのです。 極言しますと、圧倒的に練習量が少ない現実の上に、「できない」ことだけを意識しているといえます。 「できる」「うまい」の状態になるには、息をするのに酸素が必要なように、練習量が必要になります。オリンピックや芸術の世界で無い限り、「できる」「うまい」とは、練習の絶対量で決まるものです。 まず、そのあたりの考えを直していくのが、劣等感を持たないで済むコツのひとつです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「自分のできなさ加減」を考えることは、よい反省材料が出ることはでます。 ごく稀にです。 しかし、反面、やりすぎると劣等感を生み出す土壌作りに一生懸命になってしまい、肝心要(かなめ)なことに向けるカロリーを少なくしているだけになってしまいます。 結局、反省は行動があってこそ、完結するものであって、反省あって行動ナシでは、猿レベルです。反省ザルはその芸でお飯を食べているだけ立派ですが、「行動なし反省」には誰も御ゼニは払わないことでしょう。 そして、ポイントですが、深い反省なんて刑法の重罪の人がするもので、資格試験程度のことで深い反省なんて必要ではないです。行為として過大すぎます。 タマゴを潰すのに、戦車を用いるようなものです。 「できない」ことにカロリーを使うよりも、カロリーを行き先を自分に向けてみる。自分ができることをちょっぴりやってみることです。 カロリーという表現は、ほんと少しのことから始めよう、という意味で使っています。 100歩先を見るよりも、足の親指の3センチ前を見ようということです。数カロリーの問題です。 たとえば、先ほどの画家の例でいえば、他の作品を模写することです。創造に較べたら、模写なんて屁のカッパです。いつでも誰でもどこでもできるものです。 資格試験でいえば、効率は悪いのですが、テキストのできない箇所・曖昧な箇所を模写してみることなどが挙げられるでしょう。問題集でもいいですネ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 模写といえば、ピカソにはこんな隠れたエピソードがあります。 ピカソは20世紀を代表する画家で、天才画家といわれていますが、本当に凄い点は残した作品の数なのです。多作振りなのです。 92歳の生涯の中で、なんと2万点以上の作品を残しました。単純計算をすると、1年当たり200点以上の作品を作り上げたのです。 日記ですら200日書くのはしんどいのに。。。絵や彫刻といった作品を生み出したのです。 (ピカソの作品は絵・彫刻だけではなく、その他の工芸品も含まれています。) わたくしは、この話を聞いて、どれだけたくさんの作品が生まれたか、想像を絶するです。ピカソの天才はその多産振りから生まれたものと納得したものでした。 もちろん、こんなにたくさんの作品を生み出せた背景には、ほかの人の作品をぱくったわけです。 ピカソの作品には、強烈な個性が発揮された作品がる反面、盗作?ではないかという作品もごろごろしています。 (プロの目から見れば、あーこれはパクッたなという作品が多数あるそうです。) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 思うのは、これほどたくさんの作品を創りだそうとしたら、劣等感を持つヒマがないだろうということです。 何かを作る、何かをする、というのは、その行為自体で「自分を埋めている」のです。 劣等感で悩んでいる人は、単純にいえば、劣等感で自分を埋めているだけです。 最も簡単な劣等感の払拭のしかたは、今をそれ以外のもので埋めてしまうことです。 先ほど、100歩先より、親指の3センチ先が大切だといいました。 100歩先に進む方法を考えたり、見つけるのは至難の業です。そう、難しいのです。 親指3センチ先に進むのは、基本的に誰でも簡単にできるのです。 そして、単純な事実です。 親指の3センチ先を何百か繰り返す方が、100歩先に進む方法を考えたり、発見するよりも、早いし確実というわけです。 一気に100問できる方法はありません。 存在するのは、1問を習得する方法です。1問の各選択肢と解説をテキストでじっくり潰すのが、だれにでもできる「今」の埋め方なのです。 劣等感は、ベンキョをしないのに、合格を目指そうとする「超難解」なことを追求するからです。 じゃんじゃんバリバリ、勉強していけば、劣等感にとりこまれずに済むのです。 |
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