イヤなことこそ、先にやる理屈
ベンキョでは、いやな科目や単元、難しい内容であっても、合格ためには捨てておくことはできません。 試験勉強では、苦手分野を意識的に遠ざけてしまうと、合否に対して致命的な作用を及ぼします。 試験は1点との戦いですので、苦手分野があること自体、ほかの問題で点数を取らなくてはならないハメになります。 しかし、問屋はそうウマク卸さないものでして、点数にできるほかの問題というのも、他の人にとっては点数にされてしまうのです。 試験の問題数は有限で、限りある問題の取り合いであるからです。 ですから、苦手分野をなくさない限り、試験の合格は遠ざかるのみです。特に足切り点がある資格では、それだけで一年の努力が無駄になってしまいます。 ですから、苦手科目の対策は必ず取らなければならないのです。 独学という勉強スタイルでは、えてして自分のイヤなものを遠ざけてしまう傾向があります。 今回のコラムでは、独学で陥りやすい罠である苦手分野を、どうすればよいかを考えて行きたいと思います。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 苦手分野を克服する大切さを、知っている人は多いと思います。 とはいえ、苦手科目はイヤだから苦手なのであって、そして、難しいから苦手なのです。 苦手科目の対策は、その苦手の内容をいかに上手にやるかを考えていくよりも、どうしたら苦手意識を払拭できるかを考えた方がはやいのです。 どうすれば、苦手意識を変えることができるか?とお考えになるかもしれません。 「変える」と「払拭」は意味が違います。 本当のことをいうと、「意識」というものは、変えることはできないのです。 意識の内容を変えた結果、苦手意識を感じなくなる、というのではありません。 「苦手」というもんは、意識しなくなる、と表現した方がよいのです。 基本的に試験勉強というものは、誰にでもできるものでございまして、ある特定の人には全く手も足もでない問題というのは出ないのでございます。 「やれば、できる」のが試験問題の宿命なのでございます。 たくさんの練習をこなしても、未だ苦手意識が払拭できず、点数も低いようでしたら、みんな苦手なのです。 ですから、合格・不合格に「できる・できない」が強く影響されないのです。 安心して間違えば良いのでございます。間違えてもいいのですから、苦手意識自体、持たなくともよいのです。 まず、苦手分野は他の人にとってどうであるかを考えます。そして、みんな苦手であれば、苦手であってもよいのでございます。 そうなると、苦手であるかどうかは、合格にあまり影響しないのですから、意識自体持つ意味がなくなり、意味がないものについては、人は忘れるものでございます。 苦手意識の試験的意味合いを知ることで、苦手意識は払拭されるのです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− しかし、試験的な意味合いを考えても、できなければならない問題・点数にしなければ勝てない科目であればどうしたらいいでしょうか? 基本的に先ほど申しましたように、試験問題は「やれば、できる」ものでございます。 言い換えますと、「やられれば、できるようになってしまう」ものなのでございます。 苦手意識のある人の多くは、絶対的な練習量が少ないことが多いのでございます。 苦手意識を感じないようにするには、練習してできるようになるのが一番早いものです。 「あたりまえだ!」とお思いになる方も多いかと存じます。 しかし、単にやるだけではなく、進めていく順番をも、考えていただきたいのです。 やったのにできない、という人は、えてして、ベンキョの最後の最後におっかなびっくりでお勉強しているものでございます。 ベンキョを始めたら、まず、苦手なことを一番先に「とりあえず」やってみるのでございます。 こう考えて見ましょう。 脳みそはベンキョの時間の最後には疲れきっている、と。 スポーツにおける後半戦、終了時間ぎりぎりの筋肉の状態を考えてみてください。 エネルギーは使い果たしたので、身体は重たいです。 ベンキョ時間の最後の方も、脳みそは、先ほどのスポーツにおける身体と同様の状態です。 スポーツでいいますと、こんな疲れた身体の状態で、苦手なパスやドリブルといった技術を特訓しても、速やかに身に付くでしょうか?という自問自答をしてみるのです。 ウマク克服できるどころか、苦手意識が強化されてしまうのが、普通でしょう。 身体が疲労で動きにくいのだから、できる以前の問題で、苦手意識は払拭できそうにありません。 ベンキョにおける苦手科目も、まずは脳みそが新鮮でピチピチの状態で、取り組む方が自然の考え方です。 自分の能力がベスト、または、エネルギーがMAXの状態で取り掛かる方が、疲労後の脳みそでの状態でやるよりも効果は相対的に高いでしょう。 効果が高ければ確率的に、克服し苦手を払拭する機会を得ることができます。 できないなぁという、自分の心中にある負のエネルギーに打ち勝てるのも、ベンキョの最初のことでございましょう。 お勉強における「練習する」とは、とりあえずやってみる、ということでございます。 まず、とりあえず、取りかかってみるのです。そして、できなくてもいいのです。 できなければ、また明日やればいいのです。 5分でも、10分でも、イヤな苦手科目は最初にやってしまうのです。 ベンキョの後のほうでやればやるほど、苦手感は強くなっていくのでございます。 簡単にいえば、エネルギーなくなっている状態なのですから、できない方が普通でしょう。そして、突破口もエネルギー不足で見えてこないことでしょう。 だから、先にやってしまうのです。とりあえず。 苦手なのですから、できないのが普通。 気をはらず、ためしにやってみればよいのです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− この、一番最初にいやなことをする「お試しとりあえず法」は、その他にも功徳がございます。 いやなことを一番最初にするように訓練していくと、リカバーの能力が身に付きます。 リカバーとは簡単に言うと、何かの用事でベンキョができなくて中断したときに、再開できる能力です。 いったん、ベンキョをとめると再開するのは億劫になるものでございます。 ここにも苦手意識アリです。 イヤなことを先にやる練習を繰り返しておくと、ある思考のショートカットが生まれるのでございます。 すぐにパパッとできる人というのは、性格や生まれつきというよりも、訓練の賜物なのです。 |
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