勉強しなくちゃ

さて、われわれは、「勉強しなくちゃ」という。やらなくちゃとか、やらんとな、とか思う。しかしときに、勉強する、の意味を損なっている人は、多いものである。

勉強するというのは、継続的にコツコツ進めていくことである。テキストを読み、問題集を解き、過去問に挑戦する。このようなオーソドックスな勉強は、基本的にはよい事である。確実なやり方である。コストも掛からず、身近である。しかしながらわれわれは、このような勉強だけでよいか、というとそうではない。われわれは試験を受けるからである。

単に知識や教養を得ればそれでよい、という種の活動ではないからである。セミナーに行くわけではない、講演会に新知識を聞きに行くわけではない。われわれの舞台というのは、厳然とした合否の結果が突きつけられる試験なのである。

何が何でもコツコツとだけやっておけばよい、というのではない。コツコツと勉強をするのはよいことであるが、半分までである。半分はよい、というのは、姿勢がよいのである。ダラダラと寝転がっているよりかは、机の前にシャンとして座って何かをしている方がよい。毎日机の前に座り、うまずたゆまず進めていくほうが、結局には実力になることは間違いがない。

しかし、まじめにコツコツと勉強しているのに、成績が上がらない人がいる。点数が取れない人がいる。それはなぜか。同じ、コツコツをベースにした勉強したのに、できる人、できない人に分かれるのはなぜか。

単的にいえば、試験勉強とは、コツコツ勉強するだけでは不十分だからである。よろしくないからである。コツコツまじめにやっているのに、成績が芳しくないという人は、点数をあげるような勉強していないのである。試験では、点数でしか語られない。勉強への姿勢がいいからといって、試験官は点数を多めにくれるわけではない。

勉強をするときには、ときに、「何を求めて勉強しているのか」を、地に足をつけ、何のためか考えてみるがよい。はっきりいえば、それは合格するためである。合格のためには合格点を取らねばならない。われわれが日々勉強するのも、ある重要な1点をいえば、点数を取るためである。

この事実を忘れている人が多い。いや、もっと詳細にいえば、目の前のやるべき事に目を奪われてしまっているのである。今の己の勉強とは、結局、要するに、なんのためにという肝腎なところを忘れ、作業の中に埋没していくのである。教養や知識を得たいのなら、他の手段がある。やはり、試験である以上、点数を取るようにやっていかねばならないのである。

多くの受験生の方は、A、B、C、D、E。。。とやらなくちゃ、しなくちゃという意識でアタマがいっぱいであろう。しかし、勉強をやるだけではダメであると述べた。問題は、点数を上げるために何をしたのか、ということである。逆にいえば、やれば、点数が上がるのか、ということである。単に「やる」だけでは、点数を上げることには繋がらない。出題パターンやクセ、傾向を把握したのか、なぜその問題が頻出なのか、なぜここを憶えねばならないのか、今やることはどのくらい点数に貢献するのか、を考えてみたのか、というわけである。

何が何でもやる、というのは、10代の勉強の仕方である。暗記・記憶ばかり、問題演習の連続、テキストの精読だけでは疲れるのはいうまでもない。疲れ知らずであるからこそ、できる勉強法は、若さが要求されるのである。われわれは、単なるやるだけの勉強からは一線を引かねばならないのである。

勉強というのは、「やる」のと「あげる」、というふたつの視点で考えるのである。闇雲の「やる」だけの作業ほど疲れるものはない。闇夜の中手探りで歩けば、同じ道のりでもはるかにしんどいものである。同じ暗記・記憶作業行為、問題演習、テキスト精読でも、見通しと意味を知っているだけで、大きく負担は変わるものなのである。

まじめにやっている、という人は、勉強をする事だけをやっている。疲れないのだろうか、と思う。勉強はするだけでなく、点数を上げる事をもやっていかねばならないことを忘れてはいけないのである。

ではいつやるのか、というと、勉強に疲れ、飽き、時間が取れないときである。何日も気分が乗らず、波に乗れないときである。こういうときには、無理に毎日の日課や通常の勉強量、勉強時間を充てるよりかは、どうすれば点数が上がるかを考えてみるのがよい。

ココはよく出るから、しっかり、あそこはでないからチョメチョメ程度だな、とテキストを30分ほど読んで余白にメモ書きしていけばよいのである。問題集や過去問は、解くよりも読んでみるのがよい。100問を解くのは大変だが、読むのなら疲れたカラダでも簡単だ。さすれば、「おや?」と思うことを見つけることだろう。なければいい復習の機会になったまでである。結構、うまくできているのである。それに気づく事である。

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