たてよこナナメ

世は常に理想と現実の狭間である。配偶者のことでなし、事はコレに限定されない。真面目なお勉強のおはなしであります。


理は想うものと相場が決まっている

理想をいえば時間はある方がよい。1時間以上あるとよい。ないよりあるほうがいいに決まっている。細切れ時間というのは苦し紛れに出た言葉である、安直に信じてはいけない。時間をかけてテキストの記述を追い問題集の解説を当り過去問傾向調査して整理整頓意義把握してこその細切れ時間活用である、なんでもできるわけではない、特にテキストの通読なんて終盤にならねばできない、序盤はやはり腰を据えないと読めない箇所多々である。

体調がよいのが理想である。眠くなし疲れてもなし心労なし。売り上げ良好、発注納品ミスもない、シフトは埋まり人手不足も解消中、新人話を良く聞いて新上司はかき回さないチーフマネジャー店長は仲が良くお局様とも慣れました、てな塩梅である。

静かなのがよい、照明は程がよい、間接照明尚良し。音楽は静かにしなやか。お八つにお夜食準備できれば用意がいいねとお褒め下されようオンナの武器である。食い物で釣るはお互い様。

現実は、ドロ疲れている。眠い。トラブルアクシデントは日常茶飯事である。車中で上着を布団に寝るなんて夢にも思わぬ小学生のあの頃、空は雲ひとつない日本晴であった。ドタバタうるさい、建材薄し安普請のマンションだ。弁当を作らねばならない、体操服に名前を書かねば銀行入金振込みだ、おっと明日は会議だ出張だ予約を忘れた云々で天手古舞いである。


まねごとでもせよ

かねてから、5分でも勉強するがよいといってきた。勉強のまねごとでもしたほうがトク、則ちお値打ちということである。5分なら耐えられるからである。

たった5分であろうとも、甲斐なし意味なしの無駄ムダむだではない。勉強というものは、調べもの締め切り仕事とは違うものである。それらは1日5分より、一気呵成にやり遂げるものであろう、しかしこと勉強とその理屈は合わぬと実感するものである。

試験は、1点2点を争うのではなく、実は0.1点のきざみの勝負だからである。1点2点は試験制度のはなしである。勉強の点数と試験の点数とは違うものである。勉強には勉強の点数がある。

勉強の点数は、たてよこナナメのみっつに勘定できる。

たての線は、汝自身を知ることである。汝自身の環境も、である。好不調の波がある、いはくニッパチ景気の上下、仕事の閑期多忙もある。季節の変化もある、イヌネコ小鳥に冬夏の毛あり、いわんや人間をや、夏細胞冬細胞あってもおかしくはない。

家に帰ってやらぬなら、途中でやって帰るがいい、コーヒー1杯180円、元取るために30分でもテキスト開いてみよペンを手にしてみよ。帰宅後どれだけ気が軽くなるか。

眠い眠たいでも、と思う。コレまでの傾向はどうだった?やったら次の日サボりだす。ならば、きっぱりグッスリ寝てしまい、疲労回復に何かない?他の時間にできないかを次の日5分考えればよい。対策の1つでも見つかればたての線で0.1点である。

よこは、どこまで進んだできたのか勉強の進捗度理解度である。

試験に出る表でない表がある、優先すべき表忘れてよい表破り捨てよそんな表まとめろよお前は見るのか?見ないだろう何でも載せればいいんじゃない編集をせよ編集をそこに金を払うのではないか編集子出版社諸君とくる。

力の入れよう加重の塩梅を調査するだけでも、よこの線で0.1点である。なあに過去問をパラパラめくれば一目瞭然である、出題されていないではないか、でても一選択肢ではないか云々。ヨコの線の要は比較対照である、コツを掴めばすぐに0.1点どころか0.5点、2点3点上積みできる。

ナナメの線は、合理性効率性である。藤田田(でん)という、日本マクドナルドの創業者がいた。彼は東大を出ている。当時の入学問題は、制限時間で解けやしない量・質であったという。彼は試験開始後とりあえず全てにマーク、のちに解けるものから解答、点数を積み上げたと聞いた。これを合理という。いかにラクにできるか、簡単に、焦らないで安心でき、優位有利に立てるかを考えるのである。

5分でもよい語呂あわせを考えることはできる。過不足なく表現し語呂フレーズを生み出せば、それだけでナナメの線に0.1点である。なあに自分だけわかればよい。通関士のときに考え付いた「ジ・トジス」なんて我ながらと思うゴロである。これだけで1問取れる、確認わずか数秒である。

たとえほとんどページ問題が進まなくても、総じて勉強は進んだことになるのである。合格に近づくのである。正攻法ではない勉強の姿がここにある。

5分でもまねごとでもせよ。さすれば、どこかの線に貢献しただろうと枕を高くして眠れるのである。都合のよい方便であるが、なあに世はすべて一時の便法でできあがっているのである。隣で寝ている人も便法方便の類ではないか。便々、相身互いである。

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