さらに間違わない
さらに間違わない 勝敗は兵家の常である。間違いは勉強のよき友である。よきライバル、よき強敵でもある。間違え誤って実力は伸びるものである。なぜなら間違いをただす方がラクだからである。正解を求め彷徨うよりも、間違いをキッチリ仕上げて点数にする方がたやすい。やる量も少ない。漫然とテキストを読むよりも、問題演習実践で点数伸びるのはこのためである。 通常日夜のお勉強の間違いは斯くの如しである。間違えた問題にジックリ取り組み解説読んでテキストさらえば、数パーセントから5分5厘、合格の可能性は上昇す。1問5選択肢なら、肢のひとつは似た風に出るだろう、そして解答できるだろう、また見当をつけられるだろう。 しかし、間違いに間違うことがある。直前期のときである。 直前期、試験1ヶ月前は、間違いに間違いを重ねる時期である。わたくし自身、合格後に苦笑することがある。過去問に一度も触れられてない箇所項目単元に、一意専心花々しく尽力し、キチンとノートにまとめたりと、何用あってやってたの?という塩梅だ。 直前期に間違うと過剰反応することがある。それも基本問題で間違うと取り留めなく不安になったり妙に落ち込んだりする。私生活も変わってくる。イライラし酒量が増えたり、つい駕篭一杯のお菓子を買ったりと、なんだか常の自分ではない。間違いの間違いである。 この間違いは、直前期の貴重な時間を奪い意欲そぐ。類は友を呼ぶという。誘引するは、私生活の爛れ、できたはずの箇所の疑心暗鬼、せずに如くはなき無駄単元の執着、重要箇所の無視である。間違いが新たな間違いを呼んだのである。 なんとも五里霧中、ならばこう考える。来年の保険だ、と。 まずは逃げることである。一点集中を多点分散せよ。「王手!」と王さんが四隅に追い込まれれば詰んだも同然だ。将棋では終わりだが、新たな将棋の板を追加すれば逃げられる。横に後ろに逃げるのも自由で自在だ。 チェス将棋で王手!チェックメイト!と追い込まれても、新たな盤を追加する。野球なら9回の次に9回を付け足すが如し。ごめんなさい母が家に来るの、お母さんも一緒に食事はどう?の如しである。お勉強はいくらでも逃げてよい。誰も咎めやしない独学である。 新たな1年次年度を、意識の範疇に入れてみよう。きっと楽。 事実、お勉強では追い込まれたようでも実際には少しも追い込まれていないのである。間違いを深刻に捕らえられる人は重要性を認識把握しているということだ。十分勝負になるチカラは持っているゆえんでこそのもの。ギチギチの本試験思考。本番への志向し過ぎの前のめり。だから退く。離間の見だ。 考えてみよ、今その時その日その場所での本試験に受からねばならぬわけがあるだろうか。ないはずだ。必須必然絶対的な理由が、である。事業計画書は銀行に提出済み、担当者は合格待ちで合格証書来たりなば支店長決済なのか。一家の浮沈が掛かかりし合格証を妻子は首を伸ばし待っているのか、云々カンヌン。 合理的な理由は少しで、あるのは感情の勘定だ。もう一度やりたくないしたくないめんどくさいことこの上ない。そのくらいである。 しかし、今日のいままでできたことが、次の年にはできないということはあるまいぞ。いままでよりも更にガマンできるはずである。亭主細君は互いに顔をまじまじと見てみよ。我慢できて来たではないか、これからも『まあ』我慢できるだろう。腐れ縁である、これ以上ひどい目には遭わないだろう。 もう1年やるのだと思えば、ケツをまくれる。逆切れ風に、「ああ、いいですよ、もう1年やってやりますよ、ええ、何度でもやってやりますよ」と啖呵を切るがいい。 いまやっていることは、今年の試験だけではなく来年の担保に「も」なる。ようし、ならば今シッカリモノにしてやる。センスが光りだし意識はシャープになる、来年も出そうな本当に重要なことをやりだす、自分の弱点今年のうちに、徹底的に間違い対策、シッカリ解きシッカリ読みシッカリ記憶するようになる。 犬は逃げれば追いかける。鼻にカジリつくぞコンチクショウ、という気合凛々カラダに満つれば黒いシェパード猟犬だって掛かってこない。そういうもんだ、半身引いていればその分大きく見えるものである。 何度でも何年でもやる、無駄な努力を恐れはしない。笑いたい奴は笑えばいい。笑ったところで気づかない。コチラは忙しいのである。諦観傍観である。しかしこうなればしめたもの、よい作業を意識でき結果よい結果を生み、合格滑り込みに至るのである。
健康的に自分をだます、お勉強の要でございます。
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適当なコラムでございます
コラム一覧でございます
・資格コラム・レジュメ版
バックナンバーでございます
・2004年4月〜2006年3月(全36コラム)
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