「資格の業務から考えよう」

資格試験であまり語られていない、試験勉強へのアプローチを紹介したいと思います。それは、取得後の資格の業務からその試験の問題を考えよう、ということです。

この元ネタは当サイトのコンテンツ「いま受けようと思っている資格の「上位資格」を覗いてみる。」からの発想です。

どういうことかというと、基本的に資格試験とは、その資格の能力評価であるのが基本的なコンセプトだと考えます。社労士に憲法は出ませんね。なぜなら、業務上関係がないからです。運転免許でも民法は出ませんよね。

資格試験にはその資格業務の範囲に応じた問題が出題されるのです。逆にいえばそこから逸脱した問題が出されるのは、ほぼないでしょう。

ココまでは普通に言われている常識です。

わたしがこれから紹介する問題アプローチは、資格試験の問題において出題の分析に使ったものです。労力を入れるべきか入れないべきか、ということです。

社労士のときは細かな通達、行政書士のときは判例・・・このような細かくて押さえるには膨大な量があるモノをどうしたらいいか?と考えたのです。

六法とかを開けるまでもなく、法律には膨大な判例が伴います。民法なんか条文だけで1000条もあるのにその上、判例までついてくるのです。

ぶちゃけ、できないと。

まず、考えたのは、その資格の実際の取得者が実際の仕事において、どんな風に仕事を進めているかを考えたのです。

行政書士のときの頭痛のモト、判例については行政書士の実際の事務所をイメージしてみました。行政書士は判例六法を開いて、うんうん考えながら仕事をしているのだろうか?と。

判例を調べるのは、行政書士の業務の一部に当たることはあるかもしれませんが、メインではないでしょう。

※メインであるとは収益の重要な一部であることです。

殆どの行政書士が、定型的な仕事で報酬を頂いているでしょう。判例がどうのこうのを考えないと仕事が進まないわけではなく、届出書云々、書類の適合性を考えるのがメインだ、と。

やはり、判例が業務のメインになるのは弁護士であって、行政書士ではないでしょう。したがって、あまり行政書士の民法では判例を深く追いませんでした。

※テキスト・過去問レベルのものだけを追いました。その当時の試験のレベルでは、基本的なものばかりででていた記憶があります。

社労士の判例絡みには、労働基準法に判例をベースとした出題がされます。そのときも、社労士が実際の業務において最低限、知っておけばいいことを自分なりに追求しただけで、その他の判例についてはテキスト・過去問の出題判例だけしか押さえませんでした。

宅建は?

宅建制度とは一種の規制であって、判例なんて全くの範疇ではないと考えます。今ある宅地建物制度のルールをしっかりと認識しなさいというのが、宅建の資格試験のエッセンスだと思います。

このように、判例や通達は、その資格の業務に関係のないものは無視していました。過去問や予想問題集等で上記、業務に関係のない通達や判例に遭遇しても、これは落とすためのウンコ問題だと割り切ってました。

「判例集を押さえたほうがいいですか?」
「通達集を読んだほうがいいですか?」
「条文は読みこんだほうがいいですか?」

わたしが専門学校等講師など、資格試験のプロなら上記の質問は全て、YESと答えます。なぜなら、試験のプロは「受かるために何をすればいいか?」を考える人であって、合格率をアップできる行為なら条件付でやっておくべきだと答えるでしょう。

そら、やったほうがいいですわ。間違いなく。

どこまでやるかの線引きは至って、微妙です。判例といっても読み込まないと解らないし、通達なんて意味がさっぱりワカランチンなのが多いです。(そら、その分野の専門家たちのトラブルから到った、一種の法令の解釈とその結論集ですもんねぇ。)

このように、やった方がいいのだけど範囲が膨大でどうしようと途方にくれている方、自分の受けようと思う資格の現実的な業務内容をイメージしながら、労力の匙加減を考えてみてはいかがでしょうか?

意外に自分の気に入ったものを押さえていくというのも手です。先のコラムで資格取得後の自分をイメージしながらの勉強は、なかなかやったことが記憶に残るし、勉強のめんどくささも軽減できるのでお勧めなのですが、そのイメージの薬味に「ネタ」として深入りしない程度に判例や難しい通達などを抑えてみるのはいかがでしょうか?将来のときに知っておきたいなぁ、みたいな感じで。

でも、深入りしないというのが味噌ですよ^^;

試験合格に対してはほんの気休めです。やはり合格にはしっかりとした問題演習だと考えますね。

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コーヒーブレイクにどんぞ。

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